僕の仕事観を大きく変えた人物のひとりが、ブックオフでのはじめての赴任店舗、当時は日本一の売上を誇った町田中央通り店の店長・Tさんです。
Tさんは、アルバイトで入社して日本一のお店の店長にまで登りつめた、社内では知らない人がいない超有名人でした。
Tさんがアルバイトしていたお店は売上が悪く、創業者の坂本さんが閉店を決めたそうです。が、Tさんは、それに異を唱え、仲間のアルバイトスタッフ達と一緒に、不眠不休で働き赤字だった店舗を黒字に大転換させたことがあったそうです。
その実績が坂本さんに認められ、社員に登用され、日本一の店舗の店長を任されるまでに大出世した人物です。ちなみに、坂本さんはTさんの結婚式の仲人まで務めたそうです。
そのTさんからは『6つの精進』を教えていただきました。『6つの精進』とは、ブックオフで個人の行動指針として採用している、京セラ・稲盛さんが提唱する人生や仕事において、重要となる実践項目をまとめあげたものです。
そのなかでも、Tさんには、『誰にも負けない努力をする』と『善行、利他行を積む』 を身をもって教えていただきました。
『誰にも負けない努力をする』:Tさんは一日中、店内を走り回っていました。ほんとうに、文字通り1階から4階まで止まることなく、走り回っていました。
『善行、利他行を積む』 :そのTさんが走り回っている理由は自分のためではなく、スタッフのためでした。あっちで、困っているスタッフがいると聞くとすぐに駆けつけ、こっちで、悩んでいるスタッフがいると聞くとすぐに悩みを聞いていました。
そばで見ていると『効率悪いな~』と思うこともありましたが、Tさんは、やっぱり走っていました。
100人いたアルバイトスタッフからの信頼も厚く、「Tさんのために頑張る!!」というスタッフがほとんどでした。
そんなTさんとは、帰る方向が一緒だったので、毎日帰り道でいろんな話を聞かせていただきました。それまでの僕の仕事観とはまったく違ったTさんの仕事観は目からうろこの連続でした。
僕のブックオフ人生を振り返ってみて、さまざまな出会いがありましたが、出会った順番も大切だと感じています。はじめに出会ったのがTさんでほんとうに良かったと今でも思っています。
次に僕の仕事観に大きな影響を与えた出会いが、『感情派』Tさんとは、まったく違うタイプの『理論派』Yさんとの出会いでした。