「障害福祉サービスを使いたいけれど、手続きが複雑そうで一歩が踏み出せない」
計画相談支援のご相談で、最初にこの言葉を聞くことがとても多いです。
たしかに、役所への申請、役所による調査、サービス等利用計画案、本計画、担当者会議……と聞くと、身構えてしまうかもしれません。でも、実際にご本人がすることを一つずつ取り出してみると、それほど多くありません。「話す」「書類にサインする」「調査・面談を受ける」——ほとんどはこの3種類です。
この記事では、はじめての相談からサービス開始までの流れを、全10ステップに分けて解説します。それぞれのステップで「あなたがすること」を明確にしましたので、「次に何をすればいいのか」で迷わないはずです。
この記事でわかること
- サービスを使えるようになるまでの全体の流れ(10ステップ)
- 各ステップで「あなたがすること」
- どれくらいの期間がかかるのか
- 担当者会議やモニタリングとは何か
そもそも「計画相談支援」とは
計画相談支援とは、障害福祉サービス(就労移行支援や生活訓練など)を利用するときに、あなたに合った支援の計画(サービス等利用計画)を一緒に作り、利用開始後も定期的に見直していくサービスです。
「どのサービスが自分に合っているのかわからない」「手続きを一人で進めるのが不安」という方のための、いわば伴走者のような存在です。
費用の心配は要りません。計画相談支援は、国の制度上、利用者負担がありません(無料)。
アイ・ワークスでも2026年4月から計画相談支援を行っています。

全体の流れ【まず全体像をつかみましょう】
| ステップ | 内容 | あなたがすること |
|---|---|---|
| ① | はじめての相談 | 困っていることを話す |
| ② | 役所への申し出 | 申請書を記入・提出する |
| ③ | 市の職員による訪問調査 | 調査(聞き取り)を受ける |
| ④-a | ご自宅での面談 | 生活のこと・希望を話す |
| ④-b | 事業所との契約 | 契約書類にサインする |
| ⑤ | 計画案の確認 | 計画案を読んで意見を伝える |
| ⑥ | 役所へ計画案の提出 | 計画案にサインする |
| ⑦ | 受給者証が届く | 受給者証を受け取る |
| ⑧ | 担当者会議 | 支援チームの話し合いに参加する |
| ⑨ | 本計画の確定 | 最終的な計画書にサインする |
| サービス開始 | ||
| ⑩ | 定期的な確認 | スタッフと定期的に話し合う |
ご覧のとおり、ご本人がすることは「話す」「サインする」「調査を受ける」の繰り返しです。書類の作成や役所とのやり取りの多くは、相談支援専門員が担います。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
① はじめての相談
あなたがすること:事業所に来て、困っていることを話す
「どんな支援が必要か」「どんな生活をしたいか」—最初の相談では、こうしたことを気軽にお話しください。うまくまとまっていなくても大丈夫です。「何に困っているのか、自分でもよくわからない」という状態からのスタートで構いません。
相談は無料です。
② 役所への申し出
あなたがすること:申請書を記入して提出する
サービスを使うには、市役所への申請が必要です。申請書は市役所の窓口か、相談支援事業所にあります。申請書には「アイ・ワークス」など、希望する相談支援事業所の名前を書き、障害者手帳などの必要書類と一緒に提出します。
※ご希望があれば、相談支援員が代理で提出することも可能です。「役所に行くのが苦手」という方も、どうぞ遠慮なくお申し付けください。
③ 市の職員による訪問調査
あなたがすること:市の職員の調査を受ける
市の職員が、ご自宅や市役所などで、普段の生活の状況について聞き取りを行います。
「調査」と聞くと緊張するかもしれませんが、簡単な聞き取りです。ありのままをお話しいただければ大丈夫です。※前回の調査から3年以内の場合は、調査が省略されることがあります。
この調査が終わると、役所から相談支援事業所に「相談支援の計画を作ってください」という書類が届きます。ここから、計画づくりが本格的に始まります。
④-a ご自宅での面談
あなたがすること:生活のこと・希望などをくわしく話す
相談支援専門員がご自宅にうかがい、「どんな生活をしたいか」「得意なこと・苦手なこと」「困っていること」などを、じっくりお聞きします。この面談の内容が、あなたのための計画の土台になります。飾らず、正直にお話しいただくのが一番です。
④-b 事業所との契約
あなたがすること:契約書類にサインする
相談支援事業所がどんなサポートをするのかをご説明したうえで、正式な契約を結びます。わからないことは、サインする前になんでも聞いてください。「わかったふり」をする必要はまったくありません。しっかり納得してからサインしましょう。
⑤ 計画案の確認
あなたがすること:計画の案を読んで、意見を伝える
面談の内容をもとに、スタッフが支援の計画案を作ります。それを一緒に確認する段階です。「こうしてほしい」「ここが違う」—思ったことを遠慮なく教えてください。これはスタッフの計画ではなく、あなたの計画です。遠慮は要りません。
⑥ 役所への申請
あなたがすること:計画案にサインする
確認が終わった計画案を役所に提出し、サービスを使う許可をもらう手続きに入ります。ここでも、書類へのサインが必要です。提出後は、役所が内容を確認します。この確認には数週間〜1ヶ月程度かかります。
ここで少し補足を。「手続きに時間がかかる」と言われる正体は、実はこの役所の審査期間です。事業所側の計画づくりが遅いわけではありません。アイ・ワークスでは、面談(アセスメント)後24時間以内に計画案の下書きを作成する体制をとっています。だからこそ、動き出しは早いに越したことはない、というのが私たちの実感です。
⑦ 受給者証が届く
あなたがすること:受給者証を受け取る
役所の確認が終わると、「このサービスを使っていいですよ」という証明書=サービス受給者証が届きます。サービス利用に必要な大切な書類ですので、大切に保管してください。
⑧ 担当者会議
あなたがすること:支援に関わる人たちの集まりに参加する
あなたを支援する人たちが集まって、どのように支援するかを話し合う会議です。
「会議」と聞くと堅苦しく感じるかもしれませんが、これは、あなたをサポートするチームの作戦会議のようなものです。
法律(指定計画相談支援の基準に関する省令)により、「支援に関わる担当者を招集し、専門的な視点から意見を出し合って計画の内容をしっかり検討すること」が定められています。つまり、支援スタッフが勝手にサポート内容を決めないための仕組みなのです。
- 何をする会議?:あなたが「これからどうしていきたいか」「今どんなことに困っているか」をチーム全体で共有し、一番合った計画を話し合って決めます。
- 誰が参加する?:ご本人(原則として同席していただきます)、ご家族、相談支援専門員、実際にサービスを提供する事業所のスタッフなど。
あなた自身の生活のプランを決める場です。希望や思いを直接チームに伝えられる大切な機会ですので、リラックスして、思ったことを遠慮なく話してください。
⑨ 計画の確定
あなたがすること:最終的な計画書にサインする
担当者会議での話し合いをふまえて、最終的な支援の計画を確認します。内容に同意できたらサインをしてください。
サービス(支援)の開始です
ここから、障害福祉サービスの利用が始まります。
⑩ 定期的な確認(モニタリング)
あなたがすること:スタッフと定期的に話し合う
サービスが始まった後も、スタッフが定期的に「困っていないか」「計画を変えた方がいいか」を確認します。これをモニタリングと呼びます。
ご自宅への訪問について
法律により、モニタリングの際にご自宅を訪問してお話を伺うことが必須と定められています。ただ、訪問がご本人やご家族の負担になっては本末転倒だと私たちは考えています。そのため、次のような工夫をしています。
- 面談の簡素化:事前にオンラインや事業所で詳しいお話を伺って情報を整理しておくことで、ご自宅での面談時間をなるべく短くします。
- 訪問頻度を減らす要望:モニタリング自体は通常どおりの頻度でしっかり行いますが、「ご自宅への訪問」の頻度は減らせるよう、私たちから役所へ要望を出します。
よくあるご質問
まとめ:手続きの主役はあなた、事務作業の主役は私たち
10ステップと聞くと長い道のりに感じるかもしれませんが、ご本人がすることは「話す」「サインする」「調査を受ける」—基本的にこれだけです。書類づくりや役所とのやり取りは、相談支援専門員が行います。
そして何より大切なのは、この手続きのすべてが「あなたがどう生きたいか」を形にするためのプロセスだということです。計画は、スタッフが作って渡すものではなく、あなたと一緒に作るものです。
私たちアイ・ワークスは、「障害のある方にワクワク愉しく豊かな生活を」を企業理念に掲げています。サービス受給者証をもらうことも、計画を作ることも、それ自体が目的ではありません。そのすべては、あなたがワクワク愉しく豊かに生活するための入口です。だからこそ、手続きの段階から、あなたの「こうしたい」を一番大切にします。
アイ・ワークスでは、計画相談支援のご相談を受け付けています。「まだ利用するか決めていない」段階のご相談も歓迎です。
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